50編の小説を並べてみた。わたしが影響を受けた本の一部。順序に意味はない。あなたが読んだことのある小説をチェックしてみてください。さて、どれぐらい、あるでしょう?
■「時をかける少女」(筒井康隆)
・思春期のキュン。原点。本を先に読んで映画だったので…以下省略。
■「だれも知らない小さな国」(佐藤さとる)
・同じくキュンの原点。シリーズ含めて、すべて読んだ。
■「クマのプーさん」「プー横丁にたった家」(A・A・ミルン)
・これは2冊でセット。ハードカバー版は一家に1冊必需品。
□「」(モーリス・ドリュオン)
・序盤で感情が持っていかれる。少年少女向きの小説ではない。
□「トムは真夜中の庭で」(フィリパ・ピアス)
・時間を越えて系は弱いわけで……。
■「歯車」(芥川龍之介)
・芥川龍之介は後期が好み。無駄のない文章には憧れる。
□「銀河鉄道の夜」(宮沢賢治)
・未完成の魅力。詩集「春と修羅」は狂っているとしか思えない。
□「斜陽」(太宰治)
・小説の冒頭はお手本。物語の象徴的な始まりとしては素晴らしい。
■「第七官界彷徨」(尾崎翠)
・この時代の小説としては最も好みかもしれない。感覚を言葉に変換させた。
□「死霊」(埴谷雄高)
・ケチの付けようがない。
□「痴人の愛」(谷崎潤一郎)
・英語のハードカバー翻訳本を持っていたのだけどなくしてしまった。
□「押絵と旅する男」(江戸川乱歩)
・短編。「パノラマ島奇談」でも良かったのかもしれない。絶品。
□「夢見る少年の昼と夜」(福永武彦)
・息子が作家で、孫が声優。「草の花」などが知られているが個人的にはこれ。
■「コインロッカー・ベイビーズ」(村上龍)
・日本の小説。影響という点ではナンバー1。ダチュラ!
■「風の歌を聴け」(村上春樹)
・3冊ある。1冊は単行本の初版。
■「さようなら、ギャングたち」(高橋源一郎)
・影響、ナンバー2。大島弓子の漫画を引用されたページをめくった瞬間が頂点。
□「優しいサヨクのための嬉遊曲」(島田雅彦)
・インテリが頭をこじらせた作品。TVで観たりするけれど相変わらず渋い。
□「インディヴィジュアル・プロジェクション」(阿部和重)
・表紙買いしてしまった訳ではない。「アメリカの夜」から読み続けている。
□「飛魂」(多和田葉子)
・現代の作家で、最も日本語に敏感な作家だと思っている。
□「なにもしてない」(笙野頼子)
・読んだ時は「ガロ」かと。つげ義春も妄想的な純文学になると知った。
□「好き好き大好き超愛してる。」(舞城王太郎)
・好き。
□「ぶらんこ乗り」(いしいしんじ)
・物語を紡げる貴重な存在だと思う。
□「ユービック」(フィリップ・K・ディック)
・ディック。どれでも良かった。余命が分かるのならディックを全部読みなおす。
□「火星年代記」(レイ・ブラッドベリ)
・将来、火星に移住できるならしたい、と意識下に埋めてくれた。
□「ソフトウェア」(ルーディ・ラッカー)
・かなり好き。なぜ、他の作品が絶版になっていくのかが信じられない。
□「エンジン・サマー」(ジョン・クロウリー)
・ずっと絶版だった。持っているのは単行本。名作。
□「たったひとつの冴えたやりかた」(ジェイムズ・ティプトリー・Jr.)
・ベタ。でも、SF短編の名作。
□「死者の書」(ジョナサン・キャロル)
・誰も、良いと言ってくれない。個人的には、かなり好み。
□「結晶世界」(J・G・バラード)
・バラードはどれもがバラードの世界。特に1冊といえば、これになる。
□「あなたの人生の物語」(テッド・チャン)
・近年のSFでは頂点だと思っている。どんな思考しているんだ?
□「アインシュタイン交点」(サミュエル・R・ディレイニー)
・面倒なSF。面倒な作家。それが交わると面倒な世界観になってしまった。
□「虐殺器官」(伊藤計劃)
・2000年以降のSF界に衝撃を与えた1冊。
□「Self‐Reference ENGINE」(円城塔)
・同じく、もう1冊。
□「インスマウスの影」(H・P・ラヴクラフト)…「ラヴクラフト全集」
・全集持っている。派生したクトゥルフは苦手だけど、ラヴクラフトは別。
■「ドグラ・マグラ」(夢野久作)
・何回、読んでも不思議な感覚になる。映画も観た。
□「われら」(エヴゲーニイ・ザミャーチン)
・1つぐらいはロシア文学を。ドストエフスキーを挙げないところが…。
□「最後の物たちの国で」(ポール・オースター)
・映画に手を出してから以降、今ひとつの作品になったと思っている。
■「西瓜糖の日々」(リチャード・ブローティガン)
・2冊ある。最高。何度、読んだのか分からない。
■「夜の樹」(トルーマン・カポーティ)
・短篇集。「ミリアム」かな、やはり。
■「エドウィン・マルハウス」(スティーブン・ミルハウザー)
・デビュー作。ミルハウザーの緻密さは、どれも好み。
□「ナイン・ストーリーズ」(J・D・サリンジャー)
・素直に上手い。「ライ麦畑…」よりは数段いいと思う。
□「スローターハウス5」(カート・ヴォネガット)
・ブローティガンは挙げるならヴォネガットも入れないと。
□「雪白姫」(ドナルド・バーセルミ)
・かなり、頭で動いていた時に読んだ。
□「舞踏会へ向かう三人の農夫」(リチャード・パワーズ)
・これも絶対に読むべし。
■「時計じかけのオレンジ」(アンソニー・バージェス)
・小説も映画も好き。イメージが違う。2回、楽しめる。ハラショー!
■「うたかたの日々」(ボリス・ヴィアン)
・これは必読。ただ、どのバージョンを読むかでイメージが変わる。
□「異邦人」(アルベール・カミュ)
・冒頭の翻訳が秀逸。最後は神のない国では理解に苦しむ面もあるけれど。
そんなところ。
被っていたり、小説でないものは省きました。絵本も。50に収めるのは難しいです。
例えば……
□「星の王子さま」(サン=テグジュペリ)
児童文学に入るかどうかも怪しい作品。自分のなかで消化できていない
ファンタジーとメルヘンを評論&解説した名著(絶版)の
□「ファンタジーの世界」(佐藤さとる)
影響という部分では絶対に外せません。
□「ぼくの哲学」(アンディ―・ウォーホル)
□「影の現象学」(河合隼雄)
□「マリファナ・ハイ」などの一連本
□「知覚の扉」(オルダス・ハックスリー)
□「虹の階梯」(中沢新一)
□「好き? 好き? 大好き?」(R・D・レイン)
あたりですか。
まだ、忘れ物があるような気もする。
>>>>>>
この一覧をつくったのは5年前くらい。追加したい本は何冊かあるけど、影響という点ではこれでいいかと思う。抜け落ちているのがあるとすれば、新書や雑学本、ジャンルで言えば評論、エッセイあたりかな?
>>>>>>
なんにせよ、たぶん、平均値よりかなり上の冊数を読んできたと思う。20歳前後の頃は1日1冊なんて当たり前のように読みふけっていたもんな。