本屋で雑誌を立ち読みするのが趣味だった。雑誌のコーナーへ行っては午後の数時間をそこで費やしていた。ひと月に何冊何十冊の本を読んでいたのか覚えていない。気に入った雑誌は購入していたけれど、99%は立ち読みだった。
ネットサーフィン(死語)は立ち読みに似ている。
通信費を除けば、たいていのweb記事は無料で読める。どちらかといえば、さらりと流し読みすることが多い。大半の情報は右から左へと流れていく。再読したり、内容を吟味することは滅多にない。ごく一部の気になる情報を探すためにweb上の文字を追っている。
というわけで、よく立ち寄るwebサイトを5つ挙げてみた。
indienative
「indienative」は、世界中の最新インディーズな音楽情報を紹介するサイト。どこから、そんなマイナーなバンドを見つけてくるんだろう?と、いつも不思議に思っている。たぶん、英語圏あたりの音楽サイトからネタを引っ張ってきているんだろうね。きっと。
"DAFT PUNK がマスクを外し、フランク・オーシャンとスティーリー・ダンとジャムセッションしたバンド"、オーストラリアの大型新人 Parcels が新曲「Tieduprightnow」のMV公開!https://t.co/3Lp9H7z8G0
— indienative (@indienative) 2018年4月27日
“DAFT PUNK がマスクを外し、フランク・オーシャンとスティーリー・ダンとジャムセッションしたバンド”とか書かれたときには読まずにいられなくなる。
WIRED
日本版の「WIRED」。テクノロジーによって、生活や社会、カルチャーまでを包括したわたしたち自身の「未来がどうなるのか」についてのメディア。だそうだ。アーカイヴ(過去)記事をTwitterに流してくれるのが嬉しい。おもしろそうなネタであっても、TLの彼方へ流れてしまうことが多いもんね。
こういう記事なんて、SFっぽい感じがして、思わず読んでしまう。まるで、J・G・バラードの世界だ。身近なガジェットも嫌いじゃないけれど、手の届かない科学系は妄想がふくらんで好きだな。
FUZE
デジタルカルチャー」をテーマに、あらゆるネット的な文化と現実社会を創る新しいアイデアを発信するメディア。ということらしい。メディアジーンの系列だから、「Gizmodo」と兄弟姉妹だね。どの血縁サイトも魅力的だ。「.dj」ってドメイン、かっこいい。
80年~90年代あたりに発刊されていたサブカルチャー系の雑誌と雰囲気が似ているんだよね。サイズが大判で、ちょっと背伸びして読んでしまうような雑誌。たとえば「STUDIO VOICE」あたりが似てるのかな……。
Pitchfork
「Pitchhfork」は、アメリカの大手音楽メディア。英語は……読めない。そんなに難しいことは書いていないので(たぶん)、それなりに読んでいる。ほら、立ち読みだから。日本語のサイトだって、文章をしっかりと読んでいるわけじゃないし(言い訳)。
新物質「時間結晶」、2グループが生成に成功 <アーカイヴ記事> https://t.co/q7vJysGawd
— WIRED.jp (@wired_jp) 2018年2月20日
「Pitchhfork」の目玉はラインキングだ。シングルやアルバムの新譜を採点しちゃうあたり(Reviews)もおもしろい。シャルロット・ゲンズブールの『Rest』は「8.7」で、ベスト・アルバム2017の17位だった。
レコードチャイナ
「レコードチャイナ」は、日本最大の中国情報サイト。政治や経済には興味がない。読んでいるのは、芸能関係かパンダのニュース。ひどく殺風景なデザインだけど、これはこれでひとつの味かも。まあ、デザインよりは中身だな。
2021年中国ドラマのユーザー評価数ランキング、1位はシャオ・ジャン主演のファンタジー時代劇
— レコードチャイナ【記事紹介】 (@recordchina) 2021年11月3日
【 ↓ その他の写真はこちら ↓ 】https://t.co/G33KUmm2fE https://t.co/G33KUmm2fE
こんな記事、「レコードチャイナ」だけしかアップしないよ。最近では、日本から戻ったパンダの「海浜」はディスコダンスがお得意!なんて記事もあった。めっちゃ貴重な情報源。
よく立ち寄るサイトに共通することは?
自分なりに、ここに挙げた5つのサイトを含めて、よく立ち寄るサイトを思い浮かべてみて共通点らしきものを考えてみた。
●デザインが文字をジャマしていない
●そこだけにしかない情報(切り口)がある
●むやみにはしゃいでいない
特に、最後がいちばん気になる。読む、読まないの選択を決める、重要な項目のひとつだな。
ハッピーな記事は読んでいて楽しいよ。ただ、それだけだと薄っぺらく感じてしまう。たぶん、はしゃいだ文章が嫌いなんだと思う。「お前は小学生か?」みたいな記事もあるからね。純粋な心が見えるなら、まだいいのだけど、純粋を装った内容(もしくはただのオバカさん)は文字を追っているだけで頭が痛くなってくる。
そんなところ。これで趣味趣向とかバレたりするのかな?
それじゃ、自分はどうなの?と尋ねられたら、横腹の奥あたりがチクチクと痛むんだけどね。webの片隅の端っこ(そのまた端っこの先っぽ)に文章を書き散らかしている身としては、ごめんなさいと言うしかない。ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……。
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その他にも好きなサイトはある。あるのだけど、途中に方向性が変わったりして、悲しい感じに陥ってしまうサイトもあるのよね。ビュー数を伸ばしたいのは理解できる。ただ、それだけだとどこも似たようなタケノコにょきにょきになって、全体がつまらなくなってしまう。みんながみんなAmazonを目指せるわけでもない。もっと強い主張を持ったネット媒体があっていいと思っている。
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がんばって欲しいと思うサイトはいくつかある。多くの人に受け入れられるのは難しいけれど、ニッチな層に届いて欲しいと思えるサイトね。例えば、こういうの。