mixiと「Young Adult Friction」そしてSlowdive

ぴくみんと出会ったのはmixiだった。ピクミンではない。あれは任天堂のゲーム。こちらはひらがなだ。ぴくみんは○○県に住む10代の、たぶん高校生、そして女の子だった。たしか、2009年あたりだったんじゃないだろうか。どうやって知り合ったのか、詳しい経緯は覚えていない。

そんなぴくみんが、今年1月にリリースされたSwervedriver(スワーヴドライヴァー)の新譜『Future Ruins』、その国内盤におさめらているライナーノーツを担当した。すごい!もうひたすらスゴイ!としか言いようがない。それに引き続き、本日発売したRingo Deathstarr(リンゴ・デススター)のリマスター盤『Sparkler』のライナーノーツまで書いている。

Swervedriver(スワーヴドライヴァー)

イギリス・オックスフォード出身のバンド、Swervedriverが結成されたのは1989年。My Bloody Valentineなどが所属していたクリエイション・レコーズから1stアルバム『Raise』をリリースした。1998年に解散。2008年に再結成。2015年には17年ぶりのアルバム『I Wasn't Born To Lose You』を。そして、2019年に新譜『Future Ruins』を発表した。アルバムタイトルを直訳すれば、未来の廃虚。かっこいい。

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動画はアルバムのオープニングナンバー「Mary Winter」。

mixi

mixiを始めたのは2006年だった。ものすごく昔だな。インターネットの世界では……というより、リアルにずいぶん昔の話だ。当時、mixiは招待制で、アメーバブログでつながりがあった人に招待してもらった。仕事場の同僚に誘われたはいたのだけれど、ネットは匿名感が強くて、やんわりと断っていた。

新しいおもちゃはとことん遊ぶ性格なので、いろいろな人とマイミクになった。初めて自分のお金で買ったアルバムの歌姫とか、大学のときにコピーしていたバンドのドラマーさんとか、元教え子(中高受験の進学塾で数学と理科を教えていたので)とか、東京で写真を撮っている人とか。

mixiつながりでバンドも組んだ。そういえば、こちらのアカウントでお世話になっている健さんのバンドを京都に呼ぶって企画はmixiメッセンジャーでやりとりをしていた。ここには書けないような話が回ってきたこともあった。いや、ホントかウソかも判別不能な、ぜったいに書けない話が多かった。

インターネットは「不思議だが本当だ」、そんなつながりだ。世界にはさまざまな人が住んでいるんだな……という得体の知れない実感があった。

Ringo Deathstarr(リンゴ・デススター

アメリカのバンド、Ringo Deathstarrが結成されたのは2005年。いわゆるゼロ年代を代表するシューゲイザー・バンドだ。ベース&ボーカルを担当しているアレックス・ゲーリングが可愛い。アルバム『Sparkler』がリリースされたのは2009年。今回発表されたリマスター盤はアルバム発売10周年を記念したものだ。

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動画はアルバムの3曲目「Some Kind of Sad」。リマスター盤にはEARLY DEMOのバージョンも収録されている。

mixiと「Young Adult Friction」

ぴくみんとのつながりはおそらく確実に、2人のアーティストが関係している。具体的な名前は挙げない。勝手に想像してもらえたらよいかと。

ひとりは「党首」と名乗っていた。もうひとりは、ころころと名前とアイコンを変え、足あとを踏むと向こうからマイミク申請してくるという噂があった人だ。その噂をたしかめるために覗いてみたら、ホントに申請がきた。この人とは深夜というより明け方近くに何度かYahoo麻雀をしたことがある。

知らないあいだに上の2人がつくる輪に入っていて、そこで、ぴくみんと知り合った。ぴくみんはTHE NOVEMBERSやThe Smashing Pumpkinsなんかが好きで、2010年にマーク・リンカス(Sparklehorse)が自殺したときは悲しんだ。そんな女の子だった。

その後、mixiが迷走し、大半の人がmixiからTwitterFacebookに移っていった。

ぴくみんの最近のツイートで、高校時代に聴いていた音楽をいくつか挙げている。そのなかにザ・ペインズ・オブ・ビーイング・ピュア・アット・ハート(The Pains of Being Pure at Heart)があった。2009年にリリースされたセルフタイトルのアルバムだ。

「Young Adult Friction」。アルバムの3曲目に収録されている。いかにもUSインディらしい、甘酸っぱい曲だ。繰り返すサビが耳に残る。「あなたはそれを本物でないと言うんだ」と、そんなサビが繰り返す。

USインディの決して上手くはないテクニックのもどかしさは、まるで青い春の背伸びしたティーンエイジャーみたいで、キラキラとした目の少年少女を見てしまった瞬間みたいな、そんな既視感とよく似ている。

ある年齢を超えた世代から見ると、まぶしいんだよ、とても。とっても。

 

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ぴくみんは、わたしのことを「ぱぴぃ」と呼んでくれる。いま流行りのパパ活じゃないよ。まあ、年齢はそれぐらい離れているような気もするが。ぴくみんとは一度もリアルで会ったことがない。それほど遠い距離に住んでいるわけでもないけれど、ただなんとなく会わないままでいる。

あらためて、ぴくみん!おめ!

Swervedriver、Ringo Deathstarrと来れば、もう、Slowdive(スロウダイヴ)しかないぜ。イングランドが生んだ、ドリーム・ポップ界最高のバンド、Slowdive。もし、2017年に発売された22年ぶりのアルバム、その次がリリースされたら、ぴくみんの愛がいっぱい詰まったライナーノーツを読んでみたいな。

それより、今度、会お。今度がいつになるのかわからないけれど。どこかでスイーツでも食お。お祝いだ。もちろん、ぱぴぃがおごってあげるよ。

 

 

紹介した3枚のアルバムは次の通り。

 

FUTURE RUINS

FUTURE RUINS

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SPARKLER (REMASTERED)

SPARKLER (REMASTERED)

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これ、ちょっと前に書いたものなんだけど、まだ、ぴくみんとは会ってない。Twitterでの交流は続いている。

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で、最近のぴくみん。こちらの本に寄稿している。まじ、驚いた。改訂版なんだけど、以前のバージョン持ってるし、何よりもシューゲイザーやドリームポップ好き界隈では超有名な本だからね。

 

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来年、2022年にはぴくみんと会えるかな?